これって感染症ですか!?|たかのこどもクリニック|上尾市北上尾駅近くの小児科・アレルギー科

  • お問い合わせはコチラ
  • WEB順番予約
WEB順番予約 お問い合わせはコチラ
ヘッダー画像

ブログ

これって感染症ですか!?|たかのこどもクリニック|上尾市北上尾駅近くの小児科・アレルギー科

これって感染症ですか!?

みなさま、明けましておめでとうございます。
そしてホームページ改定後初のブログ投稿となりますが、ちょっとインパクトのあるタイトルにしました。

タイトルにある「これって感染症ですか?」は診察中によく質問されることです。
おそらく出席停止などの制限が必要な感染症のことを指していると思われますが、医療者としては少し違和感があります。
なぜなら「人から人へ伝染する(うつる)病気」は全て感染症です(動物を介して感染する感染症もありますが、ここでは省きます)。
つまり原因となる病原体(ウイルスや細菌)が特定されていないカゼや胃腸炎も、れっきとした「感染症」です。

感染症に対する対策として、(2019年9月にもブログで紹介している)標準予防策と感染経路別予防策というものがあります。
これは多少医学的知識が必要ですが、新型コロナウイルス流行の際にはマスクや手洗いを徹底していたので馴染みがあると思います。
出席停止の措置は、元々これらの感染予防策の考え方が確立する以前に法律で定められたもので、現在の医療水準と合わない面もあると感じています。

さて前置きはこの辺にして今回何を言いたいかというと、感染症に対してはしっかり予防策を行いましょう、ということです。
出席停止がある感染症でも、そうでない感染症でも、感染予防策を怠れば必然的に感染は拡大します。
「カゼなら何もしなくても治るでしょ」という訳にはいきません。
カゼの対応を怠れば中耳炎や肺炎などの合併症をきたすこともあるし、他人に感染させてしまいます。ご自分は何ともなくカゼが治ったとしても、感染させた相手は重症となってしまうこともあります。カゼは万病のもとですから軽視してはいけません。
胃腸炎も同様です。ノロウイルスやロタウイルスだけがウイルス性胃腸炎の原因ではなく、その他のウイルスも胃腸炎の原因となります。またお子さんの胃腸炎の9割以上は何らかの「ウイルス性」ですので、嘔吐や下痢の症状を認めたら「ウイルス性」と考えるのが妥当です。

反対に、過度に心配する必要もありません。
標準予防策(マスク、咳エチケット、手洗いなど)を行うことで十分に感染伝播を防ぐことができます。
標準予防策に感染経路別予防策(飛沫予防にはマスクと密を避けること、胃腸炎や手足口病では排便後やおむつ替え後の手洗い)を加えることで予防効果が上がります。

要するに感染症対策は、コロナ流行期によく言われていた「正しく恐れましょう」が最も的を得ています。
軽視することもなく、過度に恐れることもなく、的確に対処することが最も大切です。
お子さんは、とにかく感染症を繰り返しながら成長していきますので、どんな感染症でも正しく恐れながら対応していきましょう。