新年のご挨拶と、今気になっていること|たかのこどもクリニック|上尾市北上尾駅近くの小児科・アレルギー科

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新年のご挨拶と、今気になっていること|たかのこどもクリニック|上尾市北上尾駅近くの小児科・アレルギー科

新年のご挨拶と、今気になっていること

新年あけましておめでとうございます。

本年も皆様にとって良い年となりますよう祈念いたします。

 

さて新年にあたり、最近気になっている2つのことについてお話ししたいと思います。

1.オンライン診療

2.食物アレルギー

 

1.オンライン診療

新型コロナウイルスの流行以降、診療報酬の改定により気軽に利用できるようになったオンライン診療ですが、こと小児科に限って言えば、オンライン診療はお勧めできないと考えています。

小児科は症状をうまく伝えられないお子さんが対象の診療科で、通常親御さんが患者さん本人に代わって病状を医療者に伝えるという特殊な環境下で医療を行っています。このような特殊環境の中で小児科医がどのように病気を見極めていくかというと、丁寧な問診に加え、五感を使った診察技術を駆使して診療しています。つまり、見る、聴く、嗅ぐ、触ることで病気を絞り込んでいるということです(診察中に味覚を駆使することはありませんが、あえて言えばお子さんに処方する薬を味見しています)。

診察技術については当たり前のことと思われるかもしれませんが、「見る」といっても画面越しにお子さんの様子を「見る」だけでなく、腹部を触ったときの痛がり方を「見る」こともありますし、ノドの奥や耳の中(鼓膜)を道具を使って「見る」ことも必要です。聴診器を当てて呼吸音や心臓の音、お腹の動く音を「聴く」ことは必須の診察ですし、排泄物や口の中、傷や湿疹のにおいを「嗅ぐ」こともあります。「触る」行為も単に触診と言われる臓器を触る診察行為だけでなく、皮膚温を感じながら体温を推測したり、湿疹や発疹の触感を確認することも行なっています。

ここまで書いていけば、いかにオンライン診療が小児科に不向きであるか分かっていただけるのではないかと思いますが、小児科の診察技術はこれだけではありません。対面診察時に実際を感じていただけると思います。

当院の方針としては対面の診察を重要視しており、オンライン診療を行うことは考えていません。

ぜひ対面診察の必要性を見直していただきたいと思います。

 

2.食物アレルギー

昨今の親御さんにとって非常に関心があることと認識していますが、こちらの考えている食物アレルギーのイメージと、親御さんが想像してるイメージに大きなギャップがあると感じるようになりました。

具体的には、生まれてきたお子さんに対し、食物アレルギーが起きることを前提に子育てをしている方が少なからずいらっしゃるということです。

食物アレルギーの患者さんは、発症者数が最も多い1歳時点での卵アレルギーでも10%は超えていません。その他の食物アレルギーの患者さんを合計していけばもっと多い割合を占めることにはなりますが、年齢が上がっていけば患者数は減っていきます(卵、牛乳、小麦などのアレルギーは大抵の患者さんが4〜5歳までに克服できることが分かっています)。つまり大半のお子さんは食物アレルギーを発症しないことになりますが、最近の親御さんはお子さんがいつ食物アレルギーを発症するのか恐れているように見えます。

食物アレルギーを発症した場合はきちんと対処する必要がありますが、発症する確率は低いので発症前から恐れる必要はありません。不安を抱えながら離乳食を進めていくのではなく、お子さんの食べられる食材がどんどん増えていくことに喜びをかじながら離乳食を与えていただきたいです。新しい食材を食べられた喜びはお子さんにも伝わります。親子で同じ喜びを感じることこそがお子さんの成長には不可欠ですので、ぜひ楽しい食卓を囲んでいただきたいと思います。